デニムは、定番のスラックスに次いでオフィスカジュアルに取り入れやすいアイテムです。
昨今のビジネススタイルのカジュアル化により、職場でデニムOKとなっている会社も増えてきています。
ただし一般的にデニムは「作業着」の部類に入るので、本来オフィスには不向きとされています。
したがって、デニムがOKとされている職場でも清潔感があり、「周りの人に不快感を与えない」ことが最低限のルールです。
デニム選びはシルエット、サイズ感、色、加工に注目!
それではオフィスカジュアル用のデニムはどのように選べばいいのでしょうか。
押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
シルエットはストレートかテーパードPOINT
定番の形なら「ストレート」
名前の通り一直線のシルエットで、 合わせるアイテムやシーンを問わず使える万能アイテム。
デニムにおける最も定番の形で、流行にも左右されず、幅広い年齢層が穿ける点が魅力です。
一本持っておけば、長く使えること間違いなしです。
一口にストレートデニムと言っても種類があり、主にルーズ、レギュラー、タイト、スリム、スキニー等が挙げられます。
それぞれ太さやゆとりに違いがあり、ふくよかな方はレギュラー、細身の方はタイトやスリムがおすすめです。
タイトやスリムのような細めの形は、ストレッチが効いているものの方が動きやすいですよ。
脚にピッタリとフィットする細身のスキニーは、体のラインが出すぎてしまうのでオフィスでは避けたほうが無難です。
反対に太すぎるデニムやルーズシルエットも清潔感がなく、カジュアルな見え方が強まるので注意した方がいいでしょう。
種類 | オススメ度 | 備考 |
---|---|---|
ルーズ | ★☆☆ | カジュアル味が強く、だらしなく見える可能性も |
レギュラー | ★★★ | 最もベーシックな太さ。ふくよかな方にもおすすめ |
タイト、スリム | ★★☆ | 細身の方におすすめ。ストレッチ性のあるものが◎ |
スキニー | ★☆☆ | 体のラインが出すぎるので、オフィスには不向き |
脚長効果も狙える「テーパード」
テーパードシルエットとは、裾にかけて細くなっていく形のことです。
正式には「テーパードストレート」といい、厳密にはテーパードもストレートの一種なのですが、近年ではテーパードというカテゴリーで分けられることが多いです。
太もも周りにゆとりがあり、ひざ下はすっきりしているので脚長効果があり、スタイルが良く見えるシルエットです。
「太ももが太い」「脚が短い」などのコンプレックスをカバーしてくれて、比較的どんな体型の方もきれいに着こなしやすいのが特徴です。
その他のシルエットは、基本的にNG
その他のシルエットには、太めのワイドや膝から裾にかけてゆるやかに広がるブーツカットなどがありますが、どれもビジネスシーンには不向きです。
そもそもデニムはカジュアルな印象の強いアイテムなので、オフィススタイルに取り入れるならベーシックなストレート、テーパードを選びましょう。
正しいサイズの選び方POINT
オシャレにデニムを着こなすためのポイントとして一番重要とも言えるのがサイズ選び。
「今まで何となく選んでいた…」という方はぜひデニムのサイズ表記についておさらいしておきましょう。
デニムのサイズはインチ(inch)で表記されていることが多く、基本の表記はW(ウエスト)× L(レングス)になっています。レングスとは、股下の丈の長さのことです。
サイズ選びの際は自分のウエストとレングスのサイズを把握しておくとスムーズです。
また、同じインチでもメーカーによってサイズ感が違う場合があるので、メーカーごとのサイズの目安を把握しておいたり、店頭で実際に試着をすると良いでしょう。
※『インチ(inch)』は長さの単位で、㎝で表すと1インチ=2.54㎝。
他にもチェックしたい5つのポイント
さらにジャストなサイズを選びたいなら、ウエスト、股上の長さ、ヒップまわり、わたり幅、裾の長さをチェックしましょう。
- ウエスト
ジャストウエストで穿いた時に、指が縦に2本入るくらいのゆとりがあるのが適正サイズです。
穿いた時にポケットが開いてしまうようなら、サイズが小さいということなので試着の際の参考にしましょう。 - 股上の長さ
一般的なミッドライズデニム(普通の股上)の場合、ベルト位置がちょうどウエストの高さにくるかどうかをチェックしましょう。 - ヒップまわり
ヒップまわりは大きすぎてダボダボでも、小さすぎておしりの形がわかるくらいパツパツでも不格好です。
ストレッチの有無に関わらず、少しつまめるくらいのサイズ感のものを選ぶのがおすすめです。 - わたり幅
わたり幅は太ももの太さのこと。ヒップまわりと同様、少しつまめるくらいのゆとりのあるサイズ感を選ぶのが基本です。 - 裾の長さ(レングス)
ワンクッションで少しシワが寄るくらいが基本の長さです。
もう少し短めのノークッションやくるぶし丈で足首をすっきり見せるのも◎。
裾をロールアップする場合は裾が長めのものを選び、小さめの幅でロールアップするのがおすすめです。
色はインディゴブルー、ブラックが無難POINT
合わせやすさが魅力の「インディゴブルー」
インディゴブルーとは、濃紺のような濃い藍色でほとんどウォッシュ加工が施されていない色味のことを指します。
黒に近い色合いなのでどんな色のアイテムとも合わせやすいのが魅力です。
デニムのカジュアルな雰囲気を活かしつつ、上品な雰囲気を演出できます。
シックな印象に決まる「ブラック」
ブラックはシックで落ち着きがある印象。
上品なコーディネートができるので、あまりカジュアルに見えずビジネスシーンでも使いやすいですよ。
さらに引き締め効果のある黒が、脚をすらりと見せてくれます。
他にホワイトやグレーもおすすめ
その他、ホワイトデニムやグレーデニムはキレイめなデザインなら、オフィスカジュアルにもOKです。
ホワイトデニムは清潔感があり、グレーデニムはきれいめのコーデにもマッチするので上級者におすすめのカラー。
普通のデニムにマンネリしてきた方は取り入れてみてもいいかもしれません。
もし迷った場合はインディゴブルー、ブラックを選んでおけば失敗することは少ないはずです。
カラーデニムは派手な印象を与えてしまうので、ビジネスシーンではNGです。
ダメージ加工はNG。色落ちは控えめなものをPOINT
ビジネスシーンでは清潔感が何よりも大切です。
ダメージ加工は肌を露出させてしまい、だらしない印象になるので選ばないようにしましょう。
ウォッシュ加工はワンウォッシュまでなら、まだきれいめな印象で穿くことができます。
色落ちの激しいものは使い込んだ感じが出てしまうのでおすすめしません。
オフィスでデニムを穿く際の着こなしポイント
ビジネスシーンではアイテム選びだけでなく穿き方も重要になってきます。それでは穿く時のポイントを実際に見ていきましょう。
ウエスト位置はジャストで穿くPOINT
シルエットはストレートかテーパードで太過ぎないモノを選び、標準的なウエスト位置で穿くときれいに見えます。
腰穿きはオフスタイルならOKですが、ビジネスシーンではだらしない印象を与えてしまうのでやめておきましょう。
それでも腰で穿きたい場合は、腰回りがスッキリ見えるローライズ(股上浅め)を選ぶのがおすすめです。
裾をロールアップするなら2回まで!POINT
デニムの丈は、ワンクッションで少しシワが寄るくらいが基本の長さと覚えておきましょう。
裾がもたつき過ぎるとだらしなく見えてしまいます。
普通の丈感もしくは、少し短めのノークッションやくるぶし丈で足首をすっきり見せるのもおすすめです。
裾をロールアップする場合は小さめの幅に留めておくのが◎。
ロールアップの幅が太すぎると、無骨でワイルドに見え清潔感に欠けてしまいます。
折り方もきれいに折ることを心がけると好印象です。
3ロール以上になるとボリュームが出てカジュアルな印象になるため、基本2ロールまでにしておきましょう。
1ロール
細めの幅で1ロールしてみました。
折り返すことで丈感もちょうど良くなり、足元のバランスもきれいに見えますね。
裾のステッチをあえて見せるのもおしゃれです。
2ロール
裾から2ロール折り返してみました。
1ロールに比べて足元にボリューム感が出る印象です。
これ以上折り返すとカジュアルさを強調してしまうため、ビジネスシーンではここまでに留めておくのがベターです。
靴はデニムに合わせてカジュアルを意識POINT
レースアップの革靴は基本、外羽根のカジュアル顔(コバが少し張っているもの)の方が好相性です。
あまりフォーマル度の高い靴は、デニムとはミスマッチになってしまうので避けましょう。
例えば内羽根ストレートチップ、内羽根のプレーントゥ等はドレッシーになりすぎるのでデニムとの相性はイマイチです。
プレーントゥで選ぶなら、その中でもややラフな印象に仕上がるポストマンタイプがおすすめ。
スニーカーと合わせるなら、コンバース等きれいめに穿けるローテクスニーカーが鉄則です。
これは言わずもがなですが、サンダルはビジネスシーンではNGです。
キレイめなコーディネートを心掛けるPOINT
ビジネスシーンではジャケットやドレスシャツにデニムを合わせる等、きれいめなアイテムとうまく組み合わせて、万人受けする上品な着こなしを目指しましょう。
ネクタイを合わせたタイドアップなど、ドレスアイテムを取り入れるのもおすすめです。
着こなしがラフになりやすい夏でも、Tシャツ×デニムは避けてどこかにきちんと感を。
秋冬もハイゲージのニット等、きれいめなアイテムと合わせるように心がけましょう。
【OKコーデ例】ジャケットスタイルに黒デニムを合わせて上品に
細身のブラックのテーパードデニムにジャケットで、すっきり着こなしたキレイめコーディネート。
シューズはドレス顔のモンクストラップで、デニムとカジュアル度を合わせています。
インナーはドレスシャツを合わせることで、上品な表情のデニムスタイルに。
オフィスカジュアルにおすすめのデニム10選
Levi’s(リーバイス)/501®オリジナルフィットDESIGN
どんな着こなしにもマッチする王道のストレートデニムFEATURE
リーバイスのデニムの中でも、代表作とも言える人気の高い一本。
形はストレートに近いですが、裾周りがややテーパードになっているのが特徴。
ベーシックかつきれいなシルエットで、コーディネートを選ばない万能デニムです。
EDWIN(エドウイン)/503 スリムテーパードDESIGN
すっきり細身のシルエットできれいめに穿ける一本FEATURE
ひざからくるぶしにかけて徐々に細くなるテーパードデニムです。
全体的にやや細身のシルエットで、脚をすらっと長く見せてくれる効果があります。
上品に穿けるブラックなら、オフィスカジュアルとも好相性です。
Johnbull(ジョンブル)/フレックス スリムテーパードジーンズDESIGN
穿くだけでおしゃれに決まる計算されたサイズ感がポイントFEATURE
上質なデニムアイテムに定評のあるJohnbull(ジョンブル)のテーパードデニムです。
テーパードデニムでも素材に強ストレッチ性を持たせることで、ストレスフリーな穿き心地を実現しています。
そのままでもロールアップしてもスタイルが決まる、絶妙なサイズ感がポイントです。
nudie jeans(ヌーディージーンズ)/グリムティム スリムレギュラー フィットDESIGN
オフィカジとも相性バッチリな上質な素材感に注目FEATURE
ノンウォッシュの風合いが上品な、ストレートデニムです。
ハリのある生地感がきちんと感のある印象ですが、柔軟性があり穿き心地も◎。
クラシカルなジャケットと合わせたい、上質感のある一本です。
NAVY JEANS(ネイビー ジーンズ)/タイトストレートデニムDESIGN
プチプラでもあなどれないハイクオリティな一本FEATURE
オフィス用のデニムを、まずは手頃な価格で取り入れてみたい人におすすめ。
控えめなウォッシュ加工が安っぽくなく、シンプルで合わせやすいデザインです。
定番のデニムは1万円以上のアイテムが多い中、プチプラでこのクオリティは驚きです。
シルエットはストレッチ性がありきれいめに穿けるタイトストレートになっています。
DIESEL(ディーゼル)/BUSTER R0841DESIGN
きちんと感とカジュアルさのバランスがちょうどいいデニムFEATURE
デニムの定番ブランド、ディーゼルのテーパードデニム。
細身すぎない作りになっているので、カジュアルにもきれいめにも両方使えます。
窮屈感のない穿き心地で、幅広い体型の方が穿きやすい一本です。
DENIME(ドゥニーム)/66 MODEL リジッドDESIGN
デニムならではの無骨さも魅力の日本製デニムFEATURE
60年代のヴィンテージデニムをモチーフとした細めのストレートシルエットが特徴。
デニムらしいザラ感もあるので、きれいめな中にもラフな雰囲気で穿くことができます。
穿き込むほどに味が出るリジッド(糊付けされた状態の未洗いデニム)で、長く楽しめる一本です。
C17(シーセブンティーン)/ スリムテーパードDESIGN
ハイパワーのストレッチ性でスタイリッシュに穿けるテーパードデニムFEATURE
腰回りは程良いゆとりがあり、裾にかけて絞られているテーパードシルエット。
肉厚でフィット感がありながらも、長時間穿いても疲れないスムースな生地感です。
使用されている金具もマットな色合いで、落ち着きのある上品なデニムです。
JAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ )/サークル ストレート ジーンズDESIGN
デニム好きに推したいプレーンかつこだわりの詰まった一本FEATURE
腰回りのフィット感を追求した「カーブベルト」など、長く愛用できるこだわりが詰まった日本製デニム。
やや細身のストレートで、シーンを選ばず着回せるシルエットです。
赤耳(セルヴィッチ)やインシームに青色の糸を使用するなど、シンプルな中にも遊び心を感じるディテールが洒落ていますね。
Wrangler(ラングラー)/NEW BASIC スリム テーパードDESIGN
クリーンに穿けるきれいめなテーパードデニムFEATURE
幅広い層から支持の厚い、Wrangler(ラングラー)のテーパードデニムです。
もたつきが少なく、すっきりとしたシルエットがスマートで爽やかな印象。
どのカラーもウォッシュ感が強すぎないのでオフィスカジュアルにもぴったりです。
上手にデニムを取り入れて好印象なオフィスカジュアルコーデに
今回はオフィスカジュアルにOKなデニムの選び方や着こなし、さらにおすすめのアイテムをピックアップしてご紹介しました。
最近はビジネスシーンでも服装規定が緩くなり、着こなしの幅も増えてきています。
楽に穿けるデニムは、営業職など仕事で動き回ることの多い方にもぴったりのアイテムとも言えますね。
ぜひデニムを上手に取り入れて、好印象なオフィスカジュアルコーデを目指しましょう。